ギャラ

今巷で話題の吉本興業さんのギャラや契約の問題についてというわけではないですが、ライブハウスに出入りしてるアマチュアバンドとか所謂『芸』を使って多少のお金をいただいている人たちの認識の甘さに「もうちょっと自分で考えたら?」と思ってます。
もちろん僕は吉本の芸人でもなければ縁もありません。
楽器の演奏はしてるので、ステージに立つこともありますし、ギャラもいただいています。ただ、その裏側にも多く携わっているので感じることです。

ステージというのは、タダでそこにあるわけではありません。
公園などにある屋外のステージもかなりの金額をかけて行政などが用意しています。今回は民間が経営や運営しているライブハウスなどのことなので公園のものとは少しちがいます。

ステージと客席を用意されたライブハウス的な設備の場合、運営者はそのハコを賃貸で借りるか、自分で建てています。賃貸で仮に家賃が月に30万と仮定するならば、1日1万円の家賃を家主に払っていることになります。これは1ヶ月30日で無休の場合ですが、そこに店舗(ハコ)を管理する人、例えば店長ですが1人出勤し8時間労働と役職給を追加し仮に日当12000円(安いですが…)としても30日出勤は昨今の労働としては認められません。20日出勤し残りの10日を別の副店長的な人が担当するとして、日当10000円(これまた安いですが…)とした場合、この副店長は月に10日しか出勤しないことになります。それでは月給10万円でそこから所得税などひかれます。これではやっていけないし責任感も無くなります。これは店長も同じです。
2人が重複しつつも交代制で22日ずつ出勤した時の人件費は
店長 日当120000円×22日=264000円
副店長 日当10000円×22日=220000円
今回、仮の話なので交通費など細かいものや税金や社会保険など計算には入れませんが、2人合わせて月に484000円必要となります。
次にこのどちらかが休んだ場合には、もう1人必要となります。
こういうライブハウスやハコの場合、チケットのもぎりや音響や照明の調整や操作、ドリンクなどの販売などあるので1人ではできません。
だいたいどこもスタッフが平均3人はいると思いますので足りない分はアルバイトで賄うとし、1日2人で4時間を30日で時給1000円とすると1ヶ月30日でバイトの人件費は24万円となります。
人件費だけで724000円となり、家賃と合わせると102万4000円となり、これに電気代や水道代などをはじめ、月のライブ予定を告知するホームページや独自の広報誌の印刷などが追加され諸々の細かな消耗品などの諸経費含め130万はかかるでしょう。(ザックリですが…、最低これぐらいはかかります)
これが1日でとなると単純に30で割って、1日43000円は最低売り上げが必要となります。
キャパ100人としてチケット1000円で100人必ず入れば、その日の売り上げは10万です。実際は1ドリンク別途などの条件がある場合もあるので、15万ほどにはなると思いますが、ドリンクは原価もかかるので今回はそれを含まず話すと、キャパ100で必ず100人お客が入れば、チケット代やその他経費をざっくり1万としても10万のうち残るのは47000円です。
ある1日のライブをロックバンドでオーソドックスな4人編成で3バンドの対バン形式だったと仮定して、12人が出演したことになります。この12人で均等別けした場合のギャラは3916円(小数点以下切り捨て)となります。
このバンドそれぞれに所属事務所がありギャラを折半にする契約になっていたとすると、個人がもらえる金額は1958円になります。
実際にはここになるまでに消費税や、実際にと現金を手にする場合は源泉徴収で約1割程度引かれ1700円前後になるでしょう。

これは満館での話です!

もしも50人しか入ってなければこの半分850円です。
会場までの往復の交通費や、リハーサルやって本番演っての拘束時間3〜4時間で850円の出演料です。最低賃金には程遠いですが演者さんは労働者ではないので最低賃金で括ることは難しいですが、この日のギャラは850円となります。

もしも、バンドではなくお笑い芸人さん1組2人で5組で1組10分〜15分の持ち時間とすれば1時間の興業ができるかもしれませんが同じことです。人数的には10人なので、さっきの計算より頭数が少ないので1人の取り分は多くなります。
途中の計算を割愛し、満館の時1人のギャラは2100円程度、お客さんが50人程度の場合1000円前後となります。

これではもちろん食って行けないですが、数組の演者が集まって正直50人もいれられないような状況であればプロではありませんし、名乗ってはいけません。
コンビやバンド1組で100人集められるようにならなければならないので、これはあくまで修行期間とも言えます。
トリにメインがいて、それまでを前座とすれば取り分も変わります。
また売れっ子を抱える事務所主催なら事務所の名前でお客さんも呼べるかもしれません。可能性の話ですが。

それでもライブをやって経験を積んで客を呼べる人になって行くのです。
吉本の芸人さんが若手の時の最初の250円貰ったという話がありましたが、当然あり得る話です。
もちろんチケットノルマもあったでしょう、ですが実際ノルマは何枚だったのでしょうか?10組出て10万とすれば、1組1万でチケット1000円であれば10枚で1人5枚です。全員が5枚売り切って満館なのでギャラは2000円前後となります。

みんなそこからスタートで、這い上がっていきます。
食べていけない人もいるでしょう、長いことバイトばかりの人もいるでしょう。
お笑いも音楽も一緒です。
少しずつ成長し、そのギャラが1万円に上がり、3万円になり、10万や100万になって行くのです。

もしかすると、スタッフのギャラを下げろと言う人もいるかもしれないですが、スタッフは労働者です。そして、人気者の演者のチケットが高額になり、そのギャラが3万円になろうが10万円になろうが規模が同じであればスタッフ側はほぼ同じなのです。

客の呼べる演者にならなければギャラのことを言っても、ハコ側は客の呼べる演者をもちろん望んでいるので、出演の機会は増えません。
まずワンマンで満館にできるようになってギャラの交渉をしましょう!

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